連休前には株を手仕舞いしておこうという話をたまに聞きます。
果たして、その判断は期待値的に合理的と言えるのでしょうか??
大型連休の代表格である年末年始をピックアップして検証してみました。
年末年始についてはポジションを持ち越す方が勝率が高い
1993年以降の大発会(年の最初の相場)の勝敗を計算してみました。
大発会の日経平均株価の始値が大納会の終値より高い場合を”勝ち”、低い場合を”負け”としました。
結果
20勝7敗(勝率74%)
過去の結果を見ると、少なくとも年末年始についてはポジションを持ち越した方が圧倒的に勝率が高かったと言えます。
大発会については「ご祝儀相場」の影響で上がったと報道されることがあります。
管理人の考えではそれは有り得ない!
正月でめでたいからといって株を買う人がいるか?
そもそも誰に対するご祝儀?
相場はそんなに甘い世界なのか?
相場というのは、自然災害で復興関連銘柄が爆上げするようなシビアな世界です・・・
大発会の勝率が高い理由は別にあるはずです。
なぜ大型連休前に株を売りたい衝動に駆られるのか
まずは、なぜ大型連休前にポジションを減らしたくなるのか心理面から考えてみたいと思います。
悪材料が出る確率が日数分だけ増える
例えば、自然災害が一定の確率で起こるとしたら、連休が長い方が遭遇する確率が高くなります。
連休中に地震などが起きて、相場が再開したら暴落するリスクが普段より増えます。
これは明らかにリスク増大と言えるでしょう。
最近であればトランプ大統領がツイッターで暴言を吐くかもしれません。
また、海外の経済で何か悪いニュースが出る可能性もあります。
これも連休が長い方が遭遇する確率が高くなります。
しかし、よく考えると良いニュースに遭遇する確率も同様に高くなりますよね。
必ずしもリスク増大とは言えません。
少なくとも自然災害系についてはリスクが増えるので、連休前にポジションを減らすには合理的な理由となりそうです。
連休中に株のことを気にしたくない
連休中に家族旅行といった楽しみな行事が控えている人も多いでしょう。
連休中にポジションを持ち越してしまうと、気になって旅行などが楽しめないという人もいるでしょう。
経済的に合理的とは言えませんが、ポジションを減らしたくなる理由としては多少あると思います。
連休中に何か起こる確率よりは何も起こらない確率の方が高い
前の章の話をまとめると、明確にリスクが増大するのは自然災害系のみとなります。
しかし、災害の多い日本であってもそう頻繁に相場に影響する程の大きな災害が起こるわけではありません。
ここ最近では台風や地震が相次いでいるので心配になってしまいますが、冷静に考えると確率としては高くないことが明確です。
つまり、自然災害発生を心配して連休前にポジションを減らすのは合理的な行動とは言えません。
※合理的ではないが、もちろん発生確率が0で無いことは言うまでもありませんが・・・
大発会の勝率が高いのは、非合理的な理由で連休前にポジションを処分した層の買戻しが要因ではないか
以上のことを踏まえると、大発会で勝率が異常に高いメカニズムは下記のようになると思います。
・大型連休前に非合理的な理由でポジションを減らす人が多い
・結果的には、連休中に何も起こらない確率の方が高い
・何も起こらなかった場合に、連休前に処分していた人の買戻しが入って相場を押し上げる
このような考えがあるので、個人的には連休を理由にポジションを減らすことは滅多にありません。(別の理由で減らすことはもちろんある)
おまけ:大納会の勝敗はどうなっているのか
最後に、大納会で日経平均がどうなっていたのかを調べてみました。
大納会については、大納会の終値が始値より高いか低いかで勝敗を計測してみました。
結果
12勝14敗(勝率46%)
大納会はやや下げることが多いみたいですね。(大納会の数日前から連休回避売りをする人も多いと思いますが)
過去の例から考えると、大納会の引け付近で買って年末年始を持ち越す戦略が有効に働きそうです。(くれぐれもフルポジなどの無理はしない方が良いですけど)
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